会長挨拶

Greeting

 この度、第35回日本神経免疫学会学術集会を2023年9月13日(水)~15日(金)の3日間、東京有楽町の東京国際フォーラムにて開催させていただくことになりました。会長を務めさせて頂く大変光栄な機会をいただき、理事の先生方、名誉会員の先生方に加え、会員の皆様に深く感謝いたします。
 東京での開催は第23回(2011年9月、髙 昌星先生)以来の12年ぶりとなりますが、この間にも日本における神経免疫学の研究は、基礎・臨床共に目覚ましい発展を遂げており、自己免疫病態の本質に迫っています。今後のステップとして、病態を解明することから病因を治すことへと繋げる必要があり、新規のモダリティも含めた画期的な治療薬の開発による病気の根本治療を目指します。そこで、今回の学術集会のテーマは「先端技術による神経免疫疾患治療の新時代~病態から病因治療へ~」としました。
 今回の学術集会の特徴として、ここ8年間にわたり2日間であった開催期間を久しぶりに3日間にしました。これにより、各種講演やシンポジウムの数を増やすことができました。特別講演は、大会長講演のほかにも、Harvard Medical School & Massachusetts General HospitalのMichael Levy先生、Mayo ClinicのLong-Jun Wu先生、また、Veterans Affairs Medical Center & University of Washington School of MedicineのWilliam A. Banks先生にご講演を賜ります。教育講演は4つを準備しており、2つは近年治療薬の進歩も著しいMG / Neuropathy / MS / NMOSDの臨床のupdateについての講演を鵜沢顕之先生、桑原基先生、横手裕明先生と西山修平先生に、また2つは最先端のbasic immunologyに関する講演を竹内理先生と澤新一郎先生にお願いしております。更に、本学会理事長の中島一郎先生より“Meet the Professor”企画をご提案いただき、神経免疫疾患を専門領域とすることを希望する若手の先生方がLevy先生から神経免疫学の研究(基礎研究、臨床研究)に関する指南をいただき、それぞれの先生方が取り組んでいる研究に関してもアドバイスをいただくことを目的とするセッションを設けました。また、例年行われてきた学会賞受賞候補セッションや研究創世賞の受賞者講演に加え、本学会前理事長の藤原一男先生に日本多発性硬化症協会の研究助成金受賞者講演をご企画頂きました。第33回学術集会から続いているPNIRS (PsychoNeuroImmunology Research Society)とのJoint symposiumも杏林大学保健学部 島田厚良先生のご尽力で開催する予定となり、日本神経免疫学会からは神田隆先生と河内泉先生にご講演頂きます。また、プログラム委員の先生方のご協力により16個のシンポジウムが準備されており、どれも魅力的な企画です。新型コロナウイルス感染症の影響がまだ残る中でも、今回の学術集会では一般演題に137題のご応募を頂きました。
 日本神経免疫学会から世界をリードする先端の臨床・基礎研究を発信する場として、今回の東京国際フォーラムでの開催、ならびにハイブリッド形式での開催は意義深いものと考えております。新型コロナウイルス感染症の流行状況にもよりますが、ご参加の皆さまは可能な限り現地に参集し、臨床医や神経免疫学研究者のみならず、関連学術分野、関連職種、関連企業の方々と活発に意見交換をして頂けますと幸いです。神経免疫学のさらなる発展を見据えて、たくさんの方々のご参加を心よりお待ち申し上げます。

謹白

第35回日本神経免疫学会学術集会 会長
東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科
脳神経病態学分野(脳神経内科) 教授

横田 隆徳

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